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線虫を使ったがん検診の「N-NOSE」で早期発見と早期治療が可能

がんは早期発見と早期治療が要ですが、日本におけるがん検診の受診率は3~4割程度だそうです。
低い受診率に「線虫検査」で検診の受診率を引き上げ、早期発見と早期治療に希望が持てそうです。
線虫検査の「N-NOSE」について気になり調べてみました。

この記事の目次

線虫検査「N-NOSE」とはどんな検査と判定は

N-NOSEとはどんな検査でどのようにがんの有無を判定するのでしょうか?

N-NOSEとはどんな検査

N-NOSEの検査は、土壌中に生息する体長約1mmの「線虫」の一種で「C. eregans」(シー・エレガンス)を使ってがんを見つけ出すといった手法です。
ベンチャー企業のHIROTSUバイオサイエンスの「N-NOSE」です。

どのようにがんの有無を判定

N-NOSEの検査は、がんの有無を判定するのに、尿中のがんの匂いを生物の嗅覚を用いて検知する検査です。

検査に使用する線虫 C. elegansは、がん患者の尿には近寄り、 健常者の尿では離れる反応の動きを示します。

この特性を利用し、線虫の尿に対する反応を調べ、受検者のがんのリスクを判定する検査です。

ステージ0、1の早期がんにも反応することと、一度の検査で体全体のがんリスクを調べることができるのが特徴です。

がんに対する感度は

がんに対する感度はどのぐらいでしょうか?
感度とは、がんである人を正しく陽性と診断できる指数のことです。

ステージごとの感度は

N-NOS CEA CA19-9
ステージ0~1 87.0% 13.8% 13.8%
ステージ3~4 87.8% 38.3% 52.5%

がん検査で使われている腫瘍マーカー(CEA・CA19-9)とN-NOSEとの比較で分かるように、がんのステージ(病期)が0~1の段階でも高いようです。

健常者の尿を「がんではない」と判定する“特異度”も約85%となっていようです。
(*2019年9月時点)

がんの種類の判定は

どんながんの種類が分かるのか、全国十数か所の大学および病院と行った臨床研究の結果は次の通りです。

線虫は、5大がん(胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮がん)をはじめ、膵臓がん、肝臓がん、前立腺がん、食道がん、胆嚢がん、胆管がん、腎がん、膀胱がん、卵巣がん、口腔・咽頭がん(15種類のがん)に反応することが確認されたそうです。(2019年8月現在)

今後の研究において、更なる他のがん種についても増えるとのことです。

N-NOSE検査の受信方法は

N-NOSE検査を受けるにはどうすればよいでしょうか。

2020年1月以降、HIROTSUバイオサイエンスとN-NOSE検査を契約している医療機関や健診センターで受けることができるとのことです。

施設は、HIROTSUバイオサイエンスのホームページにて順次公開されていくようです。

検査において、もし、がんのリスクがある」と判定されたら、まずは五大がん検診を受けられるか、すでに検診を受けている方は医師に相談されることをお勧めします。

また、N-NOSE検査でがんのリスクが低いという判定が出た場合は、今後も定期的なN-NOSE検査をお勧めします。

また、検査結果が出るのに約2週間~最大1か月掛かるようです。
費用は、9,800円(税抜/参考価格)
という事だそうです。

N-NOSE検査は、早期がんの発見と一度の検査で全身のがんリスクを調べることがで、身体的負担がなく定期的に受けやすい等のメリットが、今後のがん検診受診率を高めることとなるのでしょう。

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