日常生活の中で、物覚えが悪くなったり、人の名前が思い出せないなど、このような「物忘れ」などは脳の老化によるものです。
認知症は、老化による物忘れとは違い何らかの病気により、脳の神経細胞が壊れるために起こる症状や状態のことを言います。
認知症には、大きく分けて「三大認知症」と言われるものがあり、なかには治るタイプの認知症もあります。
認知症のタイプを知ることで、対応の仕方も変わりますので、ここに簡単なタイプと対応をまとめてみました。
三大認知症と言われているタイプは、「アルツハイマー型認知症」と「レビー小体型認知症」、「血管性認知症」とがあります。
それぞれについて以下の通りまとめてみました。
この記事の目次
アルツハイマー型認知症とは
アルツハイマー型認知症は、新しいことが記憶できない、思い出せない、時間や場所がわからなくなるのが特徴のようです。
老化による物忘れとアルツハイマー型認知症による物忘れの違いは、老化による物忘れは、「朝食に何を食べたかわからない」など出来事の一部を忘れます。
アルツハイマー型認知症では、「朝食を食べたこと自体」つまり出来事の全体を忘れてしまいます。
原因について
ベータたんぱくやタウたんぱくという異常なたんぱく質が脳に蓄積され、神経細胞が侵され脳が委縮していき障害が発症します。
記憶を担っている海馬の部分から委縮が始まり、だんだんと脳の全体に広がっていきます。
症状について
アルツハイマー型認知症での症状としては、「中核症状」と言われる記憶力、判断力、時間の感覚などの機能障害を起こします。
この認知機能障害により、新しく経験したことを記憶できずに、すぐ忘れてしまいます。
食事をしたこと自体を忘れてしまうのはそのためです。
また、日付、今いる場所、時間、家族の顔など、わからなくなることもあります。
障害が進行することにより、不安、妄想、無関心、徘徊、興奮や暴力などの「BPSD(行動・心理症状)」が現れます。
本人の性格や環境、周囲の方々の接し方などにより現れ方には個人差があるようです。
周囲の対応として
本人はすぐに忘れてしまうので何度も同じ質問や行動を繰り返します。
家族や介護をする人はイライラしてしまいがちですが、
否定をしないで、本人の話をよく聞いてあげる。
食後に「まだ食べていない」と言われても「これから食べましょう」と優しく接するようにしましょう。
レビー小体型認知症とは
日によっては、頭がはっきりしたり、ボーとしたり変動することが特徴です。
実際には見えないものが見える「妄想」や睡眠中の異常行動などの症状が目立ちます。
原因について
脳の神経細胞の中に「レビー小体」と呼ばれる異常なたんぱく質の塊がみられ、はっきりとした脳の萎縮は見られないことが多いです。
このレビー小体が大脳に広く現れると、認知症になります。
症状について
レビー小体型認知症での症状としては、注意力がなくなり、ものがゆがんで見えるなどの症状が現れます。
時間帯や日によっては、頭がはっきりしている時と、ボーとして極端に理解力や判断力の低下が入れ替わり起こります。
また、BPSD(行動・心理状態)などでは、幻視や睡眠時の異常言動・抑うつ症状がみられます。
幻視とは
実際には見えないものが本人にはありありと見える状態です。
見えるものの多くは小動物や人で「知らない人が部屋にいる」など具体的です。
睡眠時の異常言動とは
眠っている間に大声で叫んだり、怒鳴ったり奇声をあげるなどレム睡眠中に起こしやすい症状です。
抑うつ症状とは
気分が沈み、意欲が低下する状態です。
抑うつ症状は、レビー小体型認知症の役5割にみられるようです。
身体面の症状としては、パーキンソン症状の動作が遅く、無表情、小刻みな歩き、倒れやすいなどの症状が出ます。
また、自律神経症状の血圧や体温、内臓の働きなどの調整がうまくいかず、身体に様々な不調をきたしてきます。立ち眩み、便秘、発汗、頻尿、だるさ、めまいなど
周囲の対応として
パーキンソン症状で筋肉や関節がこわばり、歩行が小刻みになります。
つまずいたり、転びやすいため家の中の整理整頓が肝心で、障害物のないような環境に心がけたいものです。
また、症状が進行すると飲み込む機能が衰え、食べ物が気管に入り吐き出せないまま肺炎を引き起こすこともあります。
食事の時は、前かがみの姿勢をとることや、食べ物は細かく刻んだり飲み込みやすい調理の工夫が必要です。
以下の項目をチェックしてみてください。
5個以上該当するようであれば、レビー小体型認知症の可能性があるようです。
□ 物忘れがある
□ 頭がはっきりしている時と、そうでないときの差が激しい
□ 実際にはないものが見える
□ 妄想がみられる
□ うつ的である
□ 動作が緩慢になった
□ 筋肉がこわばる
□ 小股で歩く
□ 睡眠時の異常な言動
□ 転倒や失神を繰り返す
血管性認知症とは
脳梗塞や脳出血などによって発症する認知症です。
脳の場所や障害の程度によって症状が異なるようです。
また、できることとできないことなどが、はっきりと分かれていることが多いようです。
原因について
原因については、脳の血管が詰まる「脳梗塞」や血管が破れる「脳出血」などによる神経細胞がダメージを受け障害が起こるといわれています。
症状について
「まだら認知症」と言われる、できることとできないことが比較的はっきりと分かれていることが多く、判断力や記憶は比較的保たれています。
意欲や自発性がなくなったり落ち込んだりすることがあります。
感情の起伏が激しくなり、些細なことで興奮することがあります。
身体面の症状としては、脳内血管障害の場所によって手足に麻痺や感覚障害が起こったり、言語障害が出る場合もあります。
周囲の対応として
障害が起こると意欲がなくなり、日中の行動が少なくなるので、規則正しい生活習慣を心がけ、無理のないものから徐々に活動を増やすと良いでしょう。
また、介護保険のデイケアサービスやリハビリテーションを利用すると良いでしょう。
三大認知症と言われている、「アルツハイマー型認知症」と「レビー小体型認知症」、「血管性認知症」について、
認知症のタイプを知ることで、対応の仕方も変わります。
対応の仕方にお役に立てればと思い、気になる記を載せました。
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