中鎖脂肪酸はエネルギーとして、米国ではアルツハイマーの治療にも利用されています。
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中鎖脂肪酸について、効果とはたらき
食事から摂取した脂肪は、十二指腸や小腸内で膵液中のリパーゼによって
加水分解され、脂肪酸とグリセロールが分解されます。
その脂肪酸の中で、中鎖脂肪酸は肝臓へ通じる門脈を経て、直接肝臓に運ばれて速やかにエネルギー源になり代謝されます。
中鎖脂肪酸は肝臓でケトン体を産生
中鎖脂肪酸は肝臓でケトン体を大量に産生することができます。
一方、長鎖脂肪酸は体に吸収されたのち、リンパ管、静脈を通って脂肪組織、筋肉、肝臓に運ばれ体内に脂肪として貯蔵され、必要に応じてエネルギーへ変換されます。
中鎖脂肪酸は米国ではアルツハイマーの治療にも利用
中鎖脂肪酸はエネルギーとして燃焼される効率が高く、体脂肪として蓄積されにくいので
中鎖脂肪酸を含む油脂(MCTオイル・ココナッツオイル・マクトンオイル)は、ダイエットや健康によいといわれています。
また、米国ではアルツハイマーの治療にも利用されています。
認知・アルツハイマー予防に中鎖脂肪酸のココナッツオイル
現在、認知症患者は462万人と言われています。
アルツハイマー型痴呆症の原因として、脳内の海馬の委縮や異常なたんぱく質の蓄積などと言われています。
脳の栄養素といえばブドウ糖ですが、認知症患者ではこのブドウ糖の利用がうまくできず、脳細胞のエネルギー不足で障害を受けていることが分かってきました。
ブドウ糖に替わる脳の栄養素として、ケトン体が脳機能低下の予防に効果があると研究で明らかになってきています。
ケトン体は、中鎖脂肪酸が肝臓で分解され産生されます。
最近では、この中鎖脂肪酸を用いた食生活が注目されています。
中鎖脂肪酸のMCTオイルやココナッツオイル効果はダイエットにも
MCTオイルやココナッツオイルは自然界の中で、最も「中鎖脂肪酸」を多く含んでいます。
中鎖脂肪酸は植物油に含まれる、長鎖脂肪酸とは違い消化吸収の経路が異なります。
長鎖脂肪酸は体に吸収されたのち、リンパ管、静脈を通って脂肪組織、筋肉、肝臓に運ばれ体内に脂肪として貯蔵され、必要に応じてエネルギーへ変換されます。
中鎖脂肪酸は肝臓へ通じる門脈を経て、直接肝臓に運ばれて速やかにエネルギー源になり代謝されます。
このように、中鎖脂肪酸は長鎖脂肪酸に比べて、10倍ものスピードで分解・燃焼されるので脂肪になりにくい利点があるのです。